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社会不適合者の社会派ブログ

目指せ!新世代の社会派ブロガー!

『響け!ユーフォニアム』振り返り~3話~原作シーンとの比較

今秋2期のアニメ化&劇場版公開中のの『響け!ユーフォニアム』ですが、

1期について簡単に振り返っていきたいと思います。

ちなみに、響け!ユーフォニアム』とは何ぞや?という方は

TVアニメ TVアニメ『響け!ユーフォニアム』公式サイト

原作小説 響け!ユーフォニアム~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~│宝島社

をご覧ください。といっても、原作未読者やアニメを一回も見たことのない人

ですとネタバレしまくりの正直ついていけない内容です。ですので、上のwebサイトを見てブラウザバックor他の記事の閲覧を強くおススメします。

 

前回の記事では、1話と2話を原作とアニメを比較するという観点で考察しました。

今回はその続きとして3話について考察したいと思います。ただ、最近多忙etcということで今回は原作にあるシーンを原作とアニメを比較するに絞るということにします。

3話「はじめてアンサンブル」

本アニメの名言(?)『なんですか、これ』の元ネタの話です。

 

原作で言えば、

p68~p70の14行目,p72の15行目~p75のラスト2行目まで(シチュエーションや会話の流れはかなり異なる),p80の15行目~p89の10行目 の3か所が該当します。

3話は2話までと異なり、原作にないアニメオリジナルの場面がかなりあります。

具体的には、

◎久美子と葉月が腹式呼吸の基礎練習に参加する場面

◎葉月が梨子からチューバの音出しやチューナの使い方を教えてもらう場面

◎姉が登場し、「またユーフォじゃん」という場面

◎不満を抱えた部員について香織と晴香が話す場面(あすかは)

◎麗奈がトランペットで『新世界より』を吹いて叫ぶ場面

辺りは全てアニメオリジナルです。

原作にもあるシーンは、

◎低音の3人がマイ楽器を決める場面

◎合奏で、海兵隊を演奏するもののパート単体ですらろくに揃わず

滝に「私の時間を無駄にしないでいただきたい」と言われる

◎秀一と会い、北宇治高校吹奏楽部の現状を愚痴る場面(但しシチュエーションがかなり異なり実質はアニメオリジナルシーン)

の3つです。最後の秀一の会話のシーンはほぼ別物なので次回に考察を回したいと思います。

マイ楽器を決めるシーンは、大きな流れは原作小説に忠実です。但し、原作で楽器にあだ名をつけたのは緑輝がコントラバスに「ジョージ君」と付けただけですがアニメ版では葉月もチューバに「チュパカプラ」と名付けています。

で、2番目のシーンは初めて合奏でそのあまりの出来の悪さに開始数小節で演奏を中止させ開口一番「なんですか、これ」が放たれた場面です。

 ここは流れこそ、原作と同じで有名な「なんですか、これ」も「私の時間を無駄にしないでいただきたい」も原作でも放たれた言葉ですがいくつか違いがあります。マイ楽器を決めるシーンで葉月もあだ名をつけたシーンの意図は今のところ分かりませんが、初めての合奏で原作と異なるところは意図があるのではないかと思ったので考察したいと思います。

まず、有名かつ最大の違いとしては初めての合奏曲が原作では『キャント・バイ・ミー・ラヴ』に対しアニメ版では『海兵隊』に変わったことです。

wikipediaによると、

各演奏シーンで使われる楽曲は原作とは異なる。テレビアニメでは劇中のマーチングイベントでの演目がビートルズの『キャント・バイ・ミー・ラヴ』からイエロー・マジック・オーケストラの『ライディーン』に変更され[30]、第5話で本番の演奏シーンが描かれるまでは同曲を視聴者に聞かせないという演出上の意図により、本番までの練習シーンでは同曲を演奏する描写を避けるよう脚色されている[14]。

[14] ^ a b c d e f g 『響け! ユーフォニアム』(ブルーレイ版)第1巻、第2話スタッフコメンタリー(石原立也花田十輝)。

[30] ^ 『響け! ユーフォニアム』(ブルーレイ版)第3巻、第5話スタッフコメンタリー(山田尚子、斎藤滋)。

 とあるように、原作ではサンフェスの曲の練習という一環で初めての合奏をしたものと思われます。アニメ版ではサンフェスの曲ではなく、吹奏楽の初級『海兵隊』を演奏しています。

その理由としては、コメンタリーでは

第5話で本番の演奏シーンが描かれるまでは同曲を視聴者に聞かせないという演出上の意図により、本番までの練習シーンでは同曲を演奏する描写を避けるよう脚色されている

 ということが挙げられております。つまり、制作側の意図は『ライディーン』を視聴者に聞かせないためにサンフェスとは無関係の曲に差し替えたということです。ですが、初めての『海兵隊』に差し替えられたのは演出上の意図としてライディーン』を視聴者に聞かせないためという理由以外にもあると思います。

私の個人的に考えた演出上の理由は、北宇治高校吹奏楽部のレベルの低さを描写で表すためと思います。レベルの低さは吹奏楽部初級の曲すら満足にできないという演奏面も精神的な面の両面でしょう。

演奏面では、吹奏楽を少なくても1年以上やってきた部員ばかりにも関わらず(初心者は葉月同様合奏していなかったと思われる)吹奏楽初級曲さえ満足にできないシーンを見せつけ改めて北宇治高校吹奏楽部の下手さを視聴者に強調していると思われます。

精神的な面では、いくつか描写があります

◎「合奏できるクオリティになった時に集まるように」という指示で曲さえ自分たちで決めれなかったという描写:人に言われないと曲すら決めれないという幼稚さを示していると思われます。あるいは、合奏できるクオリティにある又は練習すれば(技術的に)滝に見せられるレベルの演奏のできる曲がない可能性もありましょう。

◎とにかく早く合奏を済ませたいという描写:滝より、合奏できるクオリティになったら集まってくださいと言われたのは原作でもアニメでも同じです。ですが、そこに至るまでの描写は原作とアニメでは少し異なります。

原作では、合奏できるクオリティといいながら滝よりあらかじめ合奏する日を先に告げられていたと思わしきセリフがあります。

「滝先生は、合奏できるクオリティになったら集まってくださいって言ってはった。まあ、うちらに与えられた期間は多く見積もって一週間ということやしそれまでに頑張ろう。」 原作1巻 p79~80

 初めての合奏は、楽譜が配られてから約一週間後の日曜日に行われた。

原作1巻p80

 このことから、合奏できるクオリティになったら集まってくださいと言いながら実質1週間後に合奏が決まっていたと考えられます。また、原作では合奏は日曜日に行われていることからも滝が合奏日を指定したと思われます(練習不熱心であった滝赴任以前の吹奏楽部がわざわざ自発的に日曜日に練習するとは考えにくいため)。

 

一方アニメでは、部長の晴香自ら滝を呼んで合奏をお願いしています。

なぜ、自ら演奏をお願いした(実際は部長なので部員の声を聴いてからですが)のかはあれこれ考察すまでもなく晴香と香織の会話より一目瞭然です。

晴香「では、合奏を始めます。準備してから」香織登場し晴香に耳打ち

晴香「え、今から」香織「毎日『海兵隊』練習してもしょうがないって。サンフェスもコンクールもあるんだから早く来てもらった方がいいって。」晴香「うっ」

優子膨れた顔で不満そう 晴香「いや、でも・・・」

滝を職員室に呼ぶ

滝「分かりました。すぐに行きます。」

Aパート終了

このシーンより、滝を(合奏できるクオリティと程遠いのに)呼んだ理由は「海兵隊の練習をしていてもしょうがない」からと誰でも分かります。確かに『海兵隊』がサンフェスでもコンクールの曲でもない以上海兵隊の練習をしていてもしょうがない」という意見にも一理ありそうです。

 

最も原作ではアニメと異なり『キャント・バイ・ミー・ラヴ』というサンフェスの曲を練習していました。ですが結局のところ、合奏できるクオリティと程遠いうえ全く練習すらしていないパートもあったことが次の滝のセリフより分かります。

「私はこの1週間、皆さんがパート練習している部屋を見て回りました。皆さん、じつに楽しそうでした。雑談する声が廊下まで響いていましたよ。楽器の音が一切聞こえない部屋もありました。」

 原作1巻p86

 アニメではこのセリフは無いですが、あすかより合奏のためにホルンパートを呼んで来るように言われたときに「2人以上が両こぶしをつき出し親指が何本上がるか予想するゲーム」をしているのを見て呆然とするシーンが描写されています。

結局やる気が無いのは原作,アニメ版共通でそのつけが『なんですか、これ』です。

ですがアニメ版ではやる気のなさ+サンフェスやコンクールの焦りが合奏時に遭ったと思われます。まあ、滝としては全国大会を目指すとか言っているので、『海兵隊』位難なくこなせるだろうと思い指定しているわけでしょうが・・・

アニメ版では滝が合奏前に教室を見て回った描写がないのですが、全国を毎年掲げているくらいなので『海兵隊』ぐらいきっと難なくこなせると思い練習を見に来なかったと思われます。それなのに間違えたらてへぺろしているようでは、「私の時間を無駄にしないでいただきたい」とも言いたくなるでしょう。

 

(追記:5/22)

以前3話の感想関連のまとめ掲示板で、現実の吹奏楽部ではあの演奏ならもっと厳し怒鳴ったりするという意見がありました。あの場で滝が怒鳴らなかったかのは、あのレベルでは怒鳴る価値すらないと思ったからでしょう。

有名な野球監督の1人野村克也の言葉で

「三流は無視、二流は賞賛、一流は非難」

 というものがありますが、3話のあの演奏後(すぐ止めましたが)に怒鳴りもせず切り捨てたのは北宇治高校吹奏楽部が3流だったからに他ならないのです。次の4話では、1週間滝の指導を受け『海兵隊』を再度演奏します。この時は、「細かいことをいえば言いたいことはありますが、何よりも皆さん合奏をしていましたよ」と滝が褒めていることより1週間の練習で3流から2流に北宇治高校吹奏楽部の演奏がレベルアップしたと思われます。その後の練習では、特に後半で部員が名指しで注意されるシーンが複数回書かれていることから(現実より穏やかではあるものの)1流の非難のステップに差し掛かっていると思われます。野村監督の言葉を製作陣が意識していたかはともかく、このような観点でストーリーを見れることに1年前のアニメながら最近気づきました。

 

原作シーンとの比較はこの位にして、3話の考察(アニオリの部分等)は次回の記事で考察したいと思います。

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(追記後:4315字)