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自宅で学べる地学~鎌田 浩毅著「地球の歴史」感想~

皆さんは、「地学」についてご存知でしょうか?

「地学」は「物理」や「生物」と同様に理科の科目の1つで“地球のことを紐解く”科目とされています。一般的には、「地学」ではなく「地球科学」と呼ばれることが多いですね。

 

◆高校ではマイナーな「地学」

しかし、高校で学ぶ理科の中では「物理」や「生物」と比べて学んでいる人は少ないのが現実です。

学ぶ人が少ない理由としては、

①大学受験を「地学」で受けられる大学が少ない

②「地学」を理解するのには、「物理」や「化学」の前提知識が必要

という理由が挙げられます。

①に関しては、「地学」で受験できるのがセンター試験と理学部位しかなく、理系最大勢力の工学部は全く受けられるところが有りません。

②に関しては、「地学」そのものが「地球のことを自然科学的にひも解く」という目的の学問であり、そのためには様々なジャンルのアプローチが必要です。

例えば、火山分野ですと岩石の組成を調べるのに化学分析・・といった具合ですね。そのためか、大学の地学系の学科でも高校の「地学」より「物理」や「化学」をしっかり学んできてほしいということを言われています。

 

◆大人の「地学」

そのような訳で、「地学」をしっかり学ばないまま大人になる方が多いのですが「地学」の素養が無いと現代社会で困ることが多々あります。

◎仕事で「防災担当」に任されたとき

◎TVニュースで「異常気象」が話題になったとき etc

つまり、「地学」を学ぶことは現代社会ことに災害大国ニッポンの国民にとって必須の教養と言えます。とはいえ、「地学」も理科の1分野ということで敷居が高い上、仕事や家事で多忙であるとどうしても学ぶ時間が取れなかったりする人も多いでしょう。

そういう方に、3冊で「地学」の一般教養levelの知識を得られる鎌田 浩毅 著の「地球の歴史」3分冊シリーズをおススメします。

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筆者は火山学が専門で、地球科学を中心に多くの著書を書いているので「地球の歴史」を縦軸に用いて地球科学の解説を行っていく本書も非常に分かりやすいですね。「物理」等の知識も必要に応じて、解説が丁寧にされているので義務教育の理科を理解していれば読んでいて詰まるところはないと思います。

新書なので、通勤通学中にもお手軽に読めることも魅力です。

3分冊の副題が、(上):水惑星の誕生,(中):生命の登場,(下):人類の台頭というタイトルになっています。

読者レビュー

 ◆「地球の歴史(上)水惑星の誕生」

第1章だけ、宇宙の誕生という地球の歴史の前史を扱うことも有り「地球科学」というよりは「宇宙物理学」の分野となってきます。「宇宙物理学」は「地球科学」以上に難解な分野ですが、解説が詳しいのでじっくり読めばついていけます。

「地学」未履修の私ですが、目に鱗の解説で大半の教師の説明より分かりやすく「地学」のお勉強が出来ました。3冊でも2700円なので大学の教養科目に出るより絶対コスパが良いと思います。

特に分かりやすかったのが、地球の内部構造を「卵」に例えて解説していたのが分かりやすかったですね。

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